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【悲報】医療広告規制では限界な血液クレンジング療法

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血液クレンジング療法が今、騒動になっますよね。厚労省の広告規制の限界を見ていきましょう。

医療広告規制とは

もともと医療の広告は「医療法」によってがっちり規制されてるんです。そもそも、広告していい14項目以外(医師であること、診療科、診療日、認定の有無、入院設備の有無、病院の名称、院長の名前など)は記載してはいけません。

さらに、この14項目の中であっても「嘘の内容」は禁止されていますし、その他に「他の病院と比べては行けない」、「口コミを書いてはいけない」などがあります。

なんでこうなっているかというと医療は専門性が高い上に、命に関わる問題だから、悪徳業者の広告にのせられてひどい治療をされるないようにするためです。一般の人を守るためなんですね。

そして、(法第6条の5第3項12号関係)に記載あるように自由診療は広告出来ないんです。もちろん、血液クレンジングはダメです。

「え、でもホームページでよくみるよ!」

そこが、現在の医療広告規制の限界なんです。

看板とホームページの違い

「看板」と「ホームページ」では、規制が異なります。ホームページの方が規制が緩いというのが医療広告規制の「落とし穴」「抜け道」なんです。「看板」と「ホームページ」の違いはなんでしょうか?それは、意図して見ようとしたかどうかです。「看板」て言うのは意図しなくても目に飛び込んできますよね。目に飛び込んでくる広告はがっちり規制されています。看板にかぎらず、「新聞の折り込み」「テレビCM」「Yahooなどの脇にでてくるバナー広告」「検索すると自動で上位にくるリスティング広告」も意図しなくても目に飛び込んでくるのでがっちり規制されます。

一方で「ホームページ」はどうでしょうか?
これはクリックして、見に行くページですよね。目に飛び込んでくる広告とは一線をかくしています。つまり、知りたくて見に行く情報です。
ホームページの規制をどうするかは議論された際に「一般の人が見たいと思って探してる内容まで規制してはならないんじゃないか?」となり「ホームページ」は規制が緩く設定されました。
難しい言葉でいうと「限定解除」が適応されます。難しい言葉をつかってますがなんのことは無い、問い合わせ先をしっかり書くけば規制を緩くしますよという内容です。
一般の人が疑問に思った時にちゃんと確認できればいいということですね。もちろん、「嘘の内容」等はダメですが、広告していい14項目以外(医師であること、診療科、診療日、認定の有無、入院設備の有無、病院の名称、院長の名前など)も記載できるようになります。
「血液クレンジング」は自由診療なので「看板」「新聞の折り込み」「テレビCM」「yahooなどの脇にでてくるバナー広告」には記載出来ませんが、クリックした先のホームページには問い合わせ先,費用,リスクが書いてあれば書き放題なんです。

もとをただせば、一般の人を守るために作られた医療広告規制です。平成27年に消費者委員会より「美容医療の被害が多く」、「被害者の多くがインターネットによって情報を仕入れている」という指摘を受けて、インターネットの医療広告も規制するための「ホームページガイドライン」が作成され、平成30年には罰則が適応されるように法律に格上げされました。しかし、以前としてインターネットの医療広告は無法地帯ですね。

SNSの黄金時代には無理なんじゃ、、、

厚労省は民間委託でインターネットの医療広告を監視する「ネットパトロール」なるものをやっています。一般の人からの通報を受ける窓口を作成し対応したり、また能動的にホームページを見て回ってます。

しかし、医療広告に規制があることを知っている人はどれくらいいるのでしょうか?
医師でさえほぼ知らないでしょう。
じゃあ、通報してくるのは誰?
そう、同業者の足の引っ張り合いになります。

そして、SNSのつぶやきとも広告ともとれる宣伝が数秒単位でなされていく、この時代にいちいち複数の上司や組織の了解を取らないと動けない組織はかなり無理があるのではないでしょうか?

さらに、極めつけは、ネットパトロールの委託業者も厚労省も取り締まりの権限がないと言うことです。あくまでも、違反している可能性があると伝えるのみです。なぜかというと、地方分権のため、取り締まりの権限を持つのは地方自治体(市役所や区役所、県庁)なんです。だから、ネットパトロールの委託業者や厚労省が違反していると言っても、地方自治体が違反していないと言えば違反なしなのです。そして議論もなされていますが、地方自治体の医療広告の担当は少数で、しかも他の業務の掛け持ちでやっている現状です。大手美容クリニックは腕利きの弁護士で対応してきます。本当に対応できるのでしょうか?

罰則金も少額

違反し、告発され有罪になった場合は「半年以下の懲役もしくは30万以下の罰金」です。億単位のお金が動く世界で30万て、、、。景表法のように売上の何割の罰金にしないと意味ないのではないでしょうか?

終わりに

いかがでしたか?医療広告には規制があること、そして規制には限界があることをお伝えしました。
悪徳医療から皆さんをまもるために国やお偉いさん方が考案してくれたもですが広告規制で医療被害を防ぐことには限界があります。

もし、広告で引っかかってしまっても、治療を受ける前には医師からの説明(インフォームド・コンセント 説明と同意)の段階があります。この段階では防ぐことが重要です。そして、そのために重要なのは皆さんの知識です。本当にいい治療なのか、しっかり調べる、もしくは信頼できる医療者に聞くことを怠らないでください。

しがらみだらけの国は中途半端な法律を作るだけで守ってはくれません。

自分の身は自分で守るしかないのです。

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